歯医者さんに「緊急用チャイム」があるのは珍しいことでした。

子供の頃から通院をしている歯科医は「痛かったら直ぐに言ってください。」と言うくせに「痛いっ!」と言うと「少し、我慢して」と言ってきます。麻酔が充分に効いていないうちに抜歯をしてしまうのか、治療後に頬がおたふく風邪をひいたときのように腫れ上がってしまうことも屡々です。
しかし、休日や診療時間外でも急に歯が痛み出したときは「歯が痛いよ。何とかして。」と歯科医の救急用チャイムを押すと、嫌な顔もしないで直ぐに治療をしてくれる地域の人々から愛される歯医者さんです。
子供の頃からお世話になっているので、小学生や中学生の頃の診察記録を出してきては「このときは、大きな虫歯で痛い痛いって、泣いてたっけね。」と、現在は診療を引退したお爺ちゃん先生が微笑みながら診察室で話しかけてきてくれます。そんな和気藹々とした歯科医ですから、待合室は治療をしない人まで来ていていつも満杯の状態です。歯医者さんに通院する患者さんは、こんな歯科医は他には無いと他地域の知人に自慢をするほどです。私が幼い頃から通院する歯科医は下町情緒溢れる自慢の歯医者さんです。