-
子供の水疱瘡、病院へ行くタイミング
子どもの体に水疱瘡を疑わせる赤いポツポツとした発疹を見つけた時、保護者は「すぐに病院へ連れて行くべきか、それとも少し様子を見るべきか」と迷うかもしれません。水疱瘡は多くの場合自然に治癒する病気ですが、適切なタイミングで医療機関を受診することは正確な診断を受け、子どものつらい症状を和らげそして重篤な合併症を防ぐ上で非常に重要です。では病院へ行くべき最適なタイミングはいつなのでしょうか。まず最も確実なのは「発疹に気づいたできるだけ早い段階」で受診することです。特に水疱瘡の治療薬である「抗ウイルス薬」は、発疹が出現してから48時間以内、理想的には24時間以内に内服を開始することでウイルスの増殖を効果的に抑え、発熱期間を短縮したり発疹の数を減らしたりする効果が期待できます。発症から時間が経てば経つほどこの薬の効果は薄れてしまいます。したがって特にアトピー性皮膚炎がある子どもや免疫力が低下している子どもなど、重症化のリスクが高い場合は早期の受診と抗ウイルス薬の投与が強く推奨されます。また発疹の数がまだ少ない初期の段階では他の病気との見分けがつきにくいこともあります。自己判断で様子を見ているうちに実は別の病気だったということもあり得ます。医師による正確な診断を受けることで保護者は安心してその後の看病に専念することができます。さらに以下のような「危険なサイン」が見られる場合は、時間帯に関わらず速やかに医療機関を受診する必要があります。それは「高熱が続いてぐったりしている」「水分を全く受け付けず脱水症状が見られる」「咳がひどく呼吸が苦しそう」「頭痛や嘔吐を繰り返す」「意識が朦朧としている、けいれんを起こした」といった場合です。これらは肺炎や脳炎といった水疱瘡の重篤な合併症を示唆している可能性があります。水疱瘡は基本的には予後良好な病気ですがその経過には個人差があります。子どもの様子をよく観察し少しでも「いつもと違う」「何かおかしい」と感じたら迷わずかかりつけの小児科医に相談してください。