ヘルパンギーナは主に夏に流行するウイルス性の感染症で、子供だけでなく大人も感染することがあります。特に大人が感染した場合、熱が出ないケースも見られ、症状の自覚が遅れることで無意識のうちに感染を広げてしまう可能性も指摘されています。感染経路は主に接触感染と飛沫感染です。ウイルスが含まれる咳やくしゃみの飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れたりすることで感染します。そのため、基本的な感染対策を徹底することが最も重要です。まず、手洗いの励行です。外出先から帰宅した際、食事の前、トイレの後など、こまめに石鹸と流水で手を洗いましょう。アルコール手指消毒剤も有効です。次に、うがいです。喉の粘膜に付着したウイルスを洗い流す効果が期待できます。また、流行期には人混みを避け、マスクを着用することも予防に繋がります。特に、家庭内にヘルパンギーナの患者がいる場合は、二次感染を防ぐための対策が一層重要になります。患者の看病をする際はマスクを着用し、こまめな手洗いを心がけましょう。患者が使用したタオルや食器は共用せず、分けて洗浄・消毒することが推奨されます。便中にもウイルスが排泄されるため、おむつ交換の際などは特に注意が必要です。処理後は必ず石鹸で手を洗いましょう。体調管理も大切です。十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、免疫力を高めておくことで、万が一ウイルスに暴露しても発症しにくくなったり、症状が軽度で済んだりする可能性があります。熱が出ないヘルパンギーナは、本人が感染に気づきにくいという厄介な特徴があります。そのため、夏場に原因不明の喉の痛みや口内炎のような症状が出た場合は、ヘルパンギーナの可能性も念頭に置き、早めに医療機関を受診するとともに、周囲への感染拡大を防ぐ意識を持つことが大切です。
大人がヘルパンギーナに感染しないための予防策