インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症であり、特に子供においては大人とは異なる経過や注意点が存在します。典型的な症状は38度以上の突然の発熱から始まり、寒気、頭痛、全身の倦怠感、関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く現れるのが特徴です。普通の風邪であれば徐々に熱が上がり鼻水や咳が先行することが多いですが、インフルエンザの場合は何時何分に発症したか分かるほど急激に状態が悪化することが珍しくありません。子供の場合、消化器症状が強く出ることがあり、腹痛や嘔吐、下痢を伴うケースが目立ちます。また、乳幼児では熱性けいれんを引き起こすリスクがあり、意識が遠のいたり体が硬直したりした場合は直ちに適切な処置が必要です。さらに重大な合併症としてインフルエンザ脳症が挙げられます。これは発症から数時間から1日以内に急速に進行し、意味不明な言動や幻覚、呼びかけに反応しないなどの意識障害が見られた場合は一刻を争う事態です。診断には医療機関での迅速検査が用いられ、発症から12時間から24時間経過したタイミングが最も精度が高いとされていますが、症状があまりに重い場合は時間を待たずに受診すべきです。治療には抗インフルエンザ薬が処方されますが、内服薬や吸入薬、点滴など年齢や症状に応じた選択がなされます。看病においては脱水を防ぐための水分補給が最優先であり、経口補水液などを少しずつ頻回に与えることが推奨されます。また、解熱剤の使用には注意が必要で、アスピリンなど特定の成分を含む薬はライ症候群という深刻な病態を招く恐れがあるため、必ず医師が処方した子供専用の薬を使用しなければなりません。熱が下がった後もウイルスは数日間体内に残っており、周囲への感染を広げる可能性があるため、学校保健安全法では発症した後5日が経過し、かつ解熱した後2日、幼児であれば3日を経過するまでを出席停止の期間と定めています。家庭内での感染拡大を防ぐためには、部屋の湿度を50%から60%に保ち、こまめな換気と手洗いを徹底することが不可欠です。インフルエンザは適切な休息と栄養補給で多くは1週間程度で回復しますが、子供の生命を守るためには親が初期症状を見逃さず、常に全身状態を観察し続けることが何より重要となります。
子供のインフルエンザ症状と初期対応