夜中に子供がインフルエンザと思われる症状で苦しんでいるとき、今すぐ救急外来へ行くべきか、それとも翌朝まで待つべきかは、すべての親が直面する苦渋の選択です。深夜の病院は混雑しており、二次感染のリスクもあるため、冷静な判断基準を持つことが不可欠です。まず、直ちに受診すべき「緊急サイン」として、呼吸の状態を確認してください。肩を上下させて息をしている、胸の真ん中がペコペコとへこむような呼吸をしている、あるいは唇や爪の色が紫っぽくなっている場合は、酸素が足りておらず一刻を争います。次に、意識の状態です。呼びかけてもぼんやりしている、目が合わない、あるいは異常な興奮状態で暴れているといった場合は、脳への影響が疑われるため救急受診が必要です。また、水分が全く摂れず、おしっこが半日以上出ていない場合も、重度の脱水症を避けるために点滴処置が必要になります。一方で、熱が40度あっても、意識がはっきりしており、水分が少しずつでも摂れているのであれば、まずは自宅で解熱剤を使用し、脇の下などを冷やして様子を見ることが可能です。多くの親は体温計の数字だけでパニックになりますが、大切なのは「数字」ではなく「全身状態」です。機嫌が良く、時折笑顔が見られたり、動画を見て楽しむ余裕があるなら、夜中に無理に動かすよりも、静かな環境で休ませる方が体力の消耗を抑えられます。けいれんが起きた場合は、まず時計を見て何分続いているかを確認してください。通常、2分から3分で治まり、その後に意識が戻るようなら急ぐ必要はありませんが、5分以上続く場合や、一度治まったのにまた繰り返す場合は救急車を呼ぶべきです。また、受診の際は、保険証や乳幼児医療費受給者証、お薬手帳、そしていつから何度まで熱が上がったかのメモ、吐いた回数などを時系列でまとめておくと、診察が非常にスムーズになります。深夜の救急外来はあくまで「応急処置」の場であることを理解し、翌日には必ずかかりつけ医で再診を受けることも忘れないでください。判断に迷ったときは、#8000という子供医療電話相談を活用するのも一つの手です。専門の看護師や医師から、今すぐ動くべきかのアドバイスを受けることができます。救急受診は勇気のいることですが、親の直感で「いつもと違う、おかしい」と強く感じるなら、その直感こそが最大の判断基準となります。子供を守るために、冷静かつ迅速な決断を下せるよう、これらの基準を日頃から頭に入れておきましょう。