子供が発熱した際、それが単なる風邪なのかインフルエンザなのかを早期に見分けることは、適切な治療を開始する上で極めて重要です。一般的な風邪はライノウイルスやコロナウイルスなどが原因で、症状の進行は比較的緩やかです。最初は喉の痛みや鼻水から始まり、数日かけて熱が上がったり咳が出たりします。一方でインフルエンザは、潜伏期間1日から3日を経て、ある瞬間に突然スイッチが入ったかのように激しい症状が現れます。最大の違いは高熱の出方と全身症状の重さです。インフルエンザでは38度から40度の高熱が急激に出て、それに伴い子供がひどく不機嫌になったり、ぐったりして動けなくなったりします。また、風邪ではあまり見られない激しい関節痛や筋肉痛を訴えることが多く、小さな子供であれば「足が痛い」「手が痛い」と泣くこともあります。顔つきにも違いが出やすく、インフルエンザにかかると目が充血し、顔全体が火照ったように赤くなるのが特徴的です。さらに、咳の性質も異なります。風邪の咳は湿った音がすることが多いですが、インフルエンザの初期は乾いた激しい咳が出ることが多く、喉の奥がヒリヒリするような痛みを伴います。流行時期であることも大きな判断基準です。冬場に学校や幼稚園で欠席者が増えている状況で、急な発熱があった場合は、たとえ鼻水が出ていなくてもインフルエンザを第一に疑うべきです。注意が必要なのは、どちらもウイルス感染症であるため、抗生物質は効果がないという点です。自己判断で以前もらった抗生物質を飲ませることは、耐性菌の問題だけでなく副作用のリスクもあるため厳禁です。インフルエンザが疑われる場合は、周囲への感染を防ぐためにも速やかにマスクを着用させ、医療機関の受診を検討してください。また、検査のタイミングも重要で、熱が出てすぐではウイルス量が足りずに陰性と判定されることがあります。発症から12時間以上経過してから受診するのが理想的ですが、水分が摂れない、呼吸が苦しそう、意識がはっきりしないといった症状があれば、時間を問わず救急外来へ行くべきです。風邪との違いを正しく理解し、子供の小さな変化に気づくことが、重症化を防ぐための第一歩となります。
インフルエンザと風邪の違いと見分け方