ある日の夕方、なんとなく喉にイガイガする違和感を覚えたのが全ての始まりでした。当時は仕事が忙しく、冷房による乾燥か、あるいは少し疲れが溜まっているだけだろうと軽く考えていましたが、翌朝目覚めた瞬間、私はこれまでに経験したことのない異常な痛みで飛び起きました。喉の奥に鋭利なガラスの破片が何枚も突き刺さっているような感覚があり、唾液を一回飲み込むたびに全身に電気が走るような激痛が走りました。熱を測ると38.5度。すぐに新型コロナを疑い、自宅に常備していた抗原検査キットで確認したところ、クッキリとした陽性反応が出ました。そこから私の孤独な戦いが始まりました。発症から2日目は最も過酷でした。喉の腫れがひどくなり、鏡で喉を確認すると真っ赤に充血し、扁桃腺のあたりがパンパンに膨れ上がっていました。水さえも飲むのが苦痛で、一口の水を飲み込むのに1分近く覚悟が必要なほどでした。食事はゼリー飲料やアイスクリームでさえ喉を通る時に焼けるような感覚があり、ほとんど何も口にできない状態が続きました。痛み止めのロキソニンを服用すると、1時間ほどは痛みが和らぎますが、効果が切れると再び地獄のような痛みが戻ってきます。夜も喉の痛みが気になって1時間おきに目が覚め、枕元に置いてある加湿器がシューシューと音を立てるのを眺めながら、この苦しみはいつまで続くのかと絶望的な気持ちになりました。発症から4日目、ようやく熱が下がり始めましたが、喉の痛みは相変わらずで、今度は咳が出始めました。咳をするたびに炎症を起こした喉が激しく刺激され、涙が出るほどの痛みが襲います。この頃には声が完全に出なくなり、家族とのやり取りは全てスマートフォンのメモ画面を見せる筆談になりました。ようやく痛みが引き始めたのは6日目の朝でした。それまで石を飲み込んでいるようだった感覚が、少しずつ柔らかいものを飲み込む感覚へと変わっていき、ようやくおかゆを食べることができた時の喜びは言葉では言い表せません。10日間の自宅療養を終えた今、改めて思うのは、コロナの喉の痛みは「ただの風邪」という言葉では決して片付けられない恐ろしいものであるということです。普段から健康には気をつけていたつもりでしたが、ウイルスの威力は想像を絶するものでした。これから感染するかもしれない方々に伝えたいのは、とにかく喉の痛みを和らげるためのアイテム、例えばのど飴や加湿器、そして信頼できる痛み止めを事前に準備しておくことの大切さです。そして、何よりも無理をせず、自分の体がウイルスと戦っている間はひたすら休むことに専念してください。あの激痛を二度と味わいたくないという思いから、今では人混みでのマスク着用と手洗いうがいをこれまで以上に徹底するようになりました。