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便秘が原因で歩くと胃が痛む?
「歩くと胃が痛い」という症状の原因として、意外に思われるかもしれませんが、「便秘」が関連していることがあります。便秘は、腸の不調だけでなく、間接的に胃の不快感や痛みを引き起こす可能性があるのです。では、なぜ便秘が歩行時の胃痛に繋がるのでしょうか。まず、便秘によって腸内に便やガスが溜まると、腸全体が張って膨満感が生じます。この張った腸が、上にある胃を物理的に圧迫することで、胃に不快感や重苦しさ、場合によっては痛みを感じさせることがあります。特に、食後など胃に食べ物が入っている状態では、この圧迫感がより強く感じられるかもしれません。歩くという動作は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進する効果があります。しかし、便秘で腸の動きが悪くなっている状態では、歩行による刺激がスムーズな排便に繋がらず、かえって腸の不快な動きやガスの移動を引き起こし、それが胃の痛みとして感じられることがあります。また、腸の動きが悪くなると、胃の運動機能にも影響が出ることがあります。胃と腸は連携して消化活動を行っているため、腸の調子が悪いと、胃の内容物の排出が遅れたり、胃もたれが生じたりしやすくなり、これが痛みの原因となることも考えられます。さらに、便秘が長期間続くと、体内に老廃物が溜まりやすくなり、自律神経のバランスが乱れることもあります。自律神経の乱れは、胃酸の分泌異常や胃の知覚過敏を引き起こし、痛みを感じやすくさせる可能性があります。歩くという行為自体が、体にとっては一種の運動であり、体の様々な部分に影響を与えます。便秘という腸の不調を抱えている状態で歩くと、普段は感じないような胃の不快感や痛みが顕在化することがあるのです。もし、歩くと胃が痛むという症状があり、同時に便秘の傾向(排便回数が少ない、便が硬い、残便感があるなど)も見られる場合は、便秘が原因である可能性も考慮してみる価値があります。便秘の改善には、食物繊維の豊富な食事、十分な水分摂取、適度な運動、規則正しい生活習慣などが有効です。これらの対策を行っても便秘や胃痛が改善しない場合は、消化器内科などの専門医に相談し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。