腎臓の働きが10%以下になって、水分や老廃物のろ過が出来なくなると、人工的に機械で血液の浄化を行う(人工透析)の必要があり、以下の種類があります。
・人工透析の種類
① 血液透析
取り出した血液を半透膜のフィルター(ダイアライザー)越しに透析液と触れさせると、濃度差のせいで血液中の老廃物が透析液に流れ出て、血液を綺麗にして体内に戻すものです。中分子タンパク質等の除去には効率が下がるのが難です。基本的に週3回、1回に約4時間かかります。
② 腹膜透析
血液透析と同じ原理を体内で行う方法です。内臓の隙間の腹腔に透析液を入れます。 すると、内臓を覆う腹膜がフィルターの役目を果たして老廃物が透析液に流れ出ます。透析液はパックになっているので、それを交換すれば済みます。ただ、透析液を入れるために予め、体にカテーテルを埋め込む手術が必要です。パックの交換は1日3・4回ですが、交換時間は30分程度ですので、自宅や職場での交換ができ、それ以外の時間は通常生活が送れるメリットがあります。
③ HDF透析(血液濾過透析)
現時点で最も効率のよい透析方法です。以前あった血液濾過(HF)の方法と血液透析の長所を組み合わせて、分子の小さい老廃物から、中分子タンパク質などの分子の大きいものまで、除去できる特徴があります。しかし、専用の機器やフィルターが必要で、あまり一般には普及していません。
④ オーバーナイト透析
週3回、月・水・金の透析の場合、中2日になる週末は体調が悪くなりがちです。そこで、通常1回4時間の血液透析を金曜の夜に7~8時間かけて行います。睡眠中に透析を受けられ、時間も有効に使えて、老廃物を充分除去出来るので、快適に過ごせるメリットがあります。しかし、実施できるクリニックは多くありません。
⑤ 在宅透析
自宅に透析機器を設置し、血液透析を行う方法で、通院より数多く、長時間かけて充分な透析が出来ます。だから、日常生活での食事制限もあまりなく、合併症のリスクも大幅に下がるメリットがあります。ただ、機器や透析液の設置・保管の確保やメンテナンスが必要ですし、透析介助者が要ります。
いかがでしたか、慢性腎不全になって人工透析にかかると、生涯、治療が欠かせなくなります。そうならないよう、日常生活での節制が大事でしょう。