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筋肉痛?歩行と胃の痛みの関連
歩くと胃が痛いという症状がある場合、必ずしも胃そのものに原因があるとは限りません。特に、普段あまり運動をしない人が急に長距離を歩いたり、慣れない運動をしたりした場合、腹部や体幹の筋肉が筋肉痛を起こし、それが胃の痛みのように感じられることがあります。これは、胃の病気とは異なるメカニズムで起こる痛みです。歩行時には、腹直筋や腹斜筋といった腹筋群、そして呼吸に関わる横隔膜などが使われます。これらの筋肉が、普段使われない強度や時間で活動すると、微細な筋線維の損傷が起こり、炎症反応が生じて痛みが発生します。これが筋肉痛です。筋肉痛による痛みは、運動後数時間から数日経ってから現れることが多く、ズキズキとしたり、重だるいような性質の痛みであることが一般的です。そして、その筋肉を押したり、特定の動作(例えば、体をひねる、前かがみになるなど)をしたりすると痛みが強くなるという特徴があります。胃のあたり、特にみぞおちの周辺には、腹直筋の上部や横隔膜が付着しているため、これらの筋肉が筋肉痛を起こすと、胃が痛むように感じられることがあるのです。また、歩行時の姿勢が悪かったり、不自然なフォームで歩いていたりすると、特定の筋肉に過度な負担がかかり、筋肉痛を引き起こしやすくなります。例えば、猫背気味で歩いていると、腹筋が常に緊張した状態になり、筋肉痛の原因となることがあります。筋肉痛が原因で胃のあたりが痛む場合、胃炎や胃潰瘍など消化器系の病気による痛みとの違いとしては、食事との関連が薄いこと(食前・食後で痛みが大きく変わらない)、胸やけや吐き気といった消化器症状を伴わないことが多いこと、そして安静にしていれば徐々に痛みが和らいでいくことなどが挙げられます。もし、歩くと胃が痛むという症状が、最近始めた運動や、いつもと違う活動の後に現れ、上記のような筋肉痛の特徴に当てはまるようであれば、数日間様子を見てみるのも一つの方法です。痛む部分を軽くマッサージしたり、温めたりすることで、血行が促進され、痛みの軽減に繋がることもあります。ただし、痛みが非常に強い場合や、数日経っても改善しない場合、あるいは他に気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診するようにしましょう。