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発疹が少ない、これって手足口病?
子どもの足の裏に赤いポツポツが2、3個。手のひらにも小さな発疹が一つ。口の中は特に痛がる様子もない。熱もなく食欲も旺盛でいつも通り元気に走り回っている。このようなごくわずかな発疹しか見られない場合、保護者としては「これはただの虫刺され?あせも?それともまさか手足口病?」と頭を悩ませてしまうことでしょう。手足口病はその名の通り手足口に多数の水疱ができるのが典型的な症状ですが、実際にはこのように発疹の数が非常に少なかったり、現れる場所が限定的だったりする非典型的なケースも数多く存在します。特に近年流行しているコクサッキーウイルスA6型などが原因となる手足口病では、手足口という典型的な部位だけでなく膝やお尻の周り、肘などより広範囲に発疹が出たり、逆にごくわずかな発疹で終わってしまったりと症状の現れ方が非常に多様化しています。ではどのように見分ければ良いのでしょうか。まず発疹の「性状」をよく観察することが大切です。虫刺されの発疹は中心に刺し口が見えたり、一つ一つが独立してぷくっと盛り上がったりすることが多いです。あせもは汗をかきやすい首や肘の内側、背中などに小さな赤いブツブツや透明な水ぶくれが群がるようにできます。一方手足口病の発疹は少し平べったい楕円形の赤い斑点や、その中に小さな水疱を伴うのが特徴です。特に手のひらや足の裏といった普段あまり発疹ができないような場所にできている場合は、手足口病の可能性をより強く疑うべきです。もう一つの重要な手がかりは「周囲の流行状況」です。通っている保育園や幼稚園、あるいは近所の公園などで「手足口病が流行っている」という情報があれば、たとえ子どもの症状が軽く発疹が少なくてもその可能性はぐっと高まります。しかし最終的な診断はやはり医師に委ねるのが最も確実です。たとえ発疹が少なくても手足口病が疑われる場合は小児科を受診し相談してください。医師は喉の奥の状態なども総合的に見て診断を下してくれます。