腕の良いクリニックの見分け方

発熱、激しい関節痛、そして全身に広がる発疹。大人のりんご病のつらい症状に苦しんでいる時、患者が最も望むのは「この症状を一刻も早く治してくれる薬」の存在でしょう。しかし残念ながらりんご病の原因であるパルボウイルスB１９に直接作用する「抗ウイルス薬」、いわゆる「特効薬」は現在のところ存在しません。また原因がウイルスであるため、細菌感染症に用いる「抗生物質」も全く効果がありません。ではりんご病と診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか。りんご病の治療の基本は、自身の免疫力がウイルスに打ち勝つのをサポートしながら、現れているつらい症状を和らげるための「対症療法」が中心となります。具体的にはまず発熱や頭痛、そして最も苦痛の大きい関節痛に対して「非ステロイド性抗炎症薬」、いわゆる解熱鎮痛剤が処方されます。ロキソプロフェンやイブプロフェンといった成分の薬を服用することで、痛みや炎症を和らげることができます。症状が関節リウマチと酷似しているためステロイド薬が使われることも稀にありますが、通常は非ステロイド性抗炎症薬でコントロールすることがほとんどです。次に発疹に伴う強いかゆみがある場合は、それを抑えるための「抗ヒスタミン薬」の内服薬や塗り薬が処方されることもあります。そして薬物療法以上に重要なのが「安静」と「休養」です。特に発熱や関節痛が強い急性期には無理をせず、仕事や家事を休み体をゆっくりと休ませることが回復への一番の近道となります。関節痛がひどい時は患部を冷やすと痛みが和らぐことがあります。入浴も体を温めると発疹の赤みやかゆみが増すことがあるため、熱いお湯は避けぬるめのシャワーでさっと済ませるのが賢明です。食事はバランスの良いものを無理のない範囲で摂取し、十分な水分補給を心がけましょう。りんご病は特効薬がないからこそ焦らず、自分の体の自然治癒力を信じてつらい症状が過ぎ去るのを待つという姿勢が大切になるのです。