働き盛りの50歳を前にして、私はキャリア最大の危機に直面しました。それは会議や商談の最中に突然襲ってくる、激しい腹痛と下痢の症状でした。仕事で重要なポジションを任され、常にプレッシャーがかかる毎日を送っていましたが、ある日を境にお腹が全くコントロールできなくなったのです。それまではお腹が強いことが自慢だったのに、急に体質が変わったようでした。最初は過敏性腸症候群を疑い内科に行きましたが、検査では異常なし。しかし症状は改善せず、ついには会社に行くこと自体が大きな不安となってしまいました。そんなある日、同世代の女性役員とのランチで、この悩みを打ち明けました。すると彼女から私も同じだった、それは更年期じゃないかと指摘されたのです。彼女の体験談によれば、更年期になると腸の動きが不安定になり、精神的な緊張がそのまま下痢として現れやすくなるということでした。私は驚き、すぐに婦人科を受診しました。医師によるカウンセリングと血液検査の結果、やはり女性ホルモンの低下が自律神経に影響を及ぼしていることが判明しました。医師は仕事熱心なあなたのような人ほど、体が緊張状態を維持しようとして腸に負担がかかりやすいのですと説明してくれました。治療として処方されたのは、自律神経のバランスを整える漢方薬と、軽い安定剤でした。また、仕事中の対策として、医師からいくつかの具体的なアドバイスをもらいました。まず、会議の前には必ずお腹を温めるパッチを貼り、物理的な安心感を作ること。次に、カフェインの摂取を控え、温かいハーブティーを持参すること。そして何より、腹痛が来そうだと感じたら、恥ずかしがらずに少し席を外しますと伝える勇気を持つことです。これらを実行し始めてから、私の意識は大きく変わりました。それまでは腹痛を隠さなければならない敵のように思っていましたが、自分の体の一部として受け入れ、事前に対策を講じることで、予期不安が劇的に減少したのです。不思議なことに、トイレに行けるという安心感があるだけで、あんなに頻繁だった下痢の回数が減っていきました。また、仕事の合間に3分間の瞑想を取り入れ、交感神経の昂ぶりを鎮める習慣も作りました。目を閉じて深く呼吸し、自分を労わる時間を持つことで、お腹の張りが消えていくのが分かりました。さらに、週末は仕事を完全に忘れ、趣味のガーデニングに没頭することで、心のデトックスを図りました。更年期の下痢は、私に働き方そのものを問い直すきっかけをくれました。全力疾走し続けるだけが仕事ではなく、自分のコンディションを整えながら持続可能なペースで歩むことの大切さを学んだのです。今では下痢に怯えることなく、重要なプレゼンテーションもこなせています。もし、バリバリ働いている中で原因不明のお腹の不調に悩んでいる女性がいたら、それは更年期のサインかもしれません。早めに専門医に相談し、自分なりの対策を見つけることで、キャリアを諦めることなく、自分らしく輝き続けることができるはずです。更年期は終わりではなく、新しい自分へと調整する期間なのだと今は確信しています。
仕事中の急な腹痛を乗り越えた私の更年期対策