大人がヘルパンギーナに感染し、熱は出ないものの喉の激痛に悩まされることがあります。薬による治療と並行して、少しでもその辛い痛みを和らげるためのセルフケアは、回復を助ける上で非常に重要です。まず試してほしいのが「うがい」です。ただし、刺激の強いイソジンなどではなく、生理食塩水(コップ一杯のぬるま湯に小さじ半分の食塩を溶かしたもの)や、炎症を抑える効果のあるカモミールティーなどで優しくうがいをするのがおすすめです。これにより、喉の粘膜を清潔に保ち、乾燥を防ぐ助けになります。次に、「加湿」です。空気が乾燥していると喉の痛みは悪化しやすくなります。加湿器を使用したり、濡れタオルを室内に干したりして、部屋の湿度を適切に保ちましょう。特に就寝時は口呼吸になりやすいため、枕元に加湿器を置くのも効果的です。飲み物にも工夫を凝らしましょう。冷たすぎるものや熱すぎるものは避け、人肌程度のぬるま湯や麦茶、ハーブティーなどが適しています。ハチミツには殺菌作用や抗炎症作用があると言われており、ぬるま湯に溶かして飲むのも良いでしょう。ただし、一歳未満の乳児には与えないでください。食事と同様に、酸味の強いジュースや炭酸飲料は刺激になるため避けた方が無難です。喉の痛みを直接的に和らげるアイテムとしては、「トローチ」や「のど飴」があります。唾液の分泌を促し、喉を潤す効果が期待できます。ただし、糖分の摂りすぎには注意しましょう。また、首元を冷やすのも有効な場合があります。炎症による熱感を和らげ、痛みを多少軽減できることがあります。冷たいタオルや冷却シートなどを利用してみてください。睡眠を十分にとることも、体の免疫力を高め、回復を早めるためには不可欠です。痛みが強くて眠れない場合は、医師に相談して痛み止めを処方してもらうことも検討しましょう。これらの方法はあくまで対症療法であり、根本的な治療ではありませんが、辛い症状を少しでも軽減し、体力の消耗を防ぐためには役立つはずです。熱がないからといって無理せず、できることから試してみてください。
大人の熱なしヘルパンギーナ喉の痛みを和らげる知恵