外反母趾の疑いで整形外科を受診した場合、医師はまず問診と視診、触診を行い、足の状態を詳しく確認します。その後、レントゲン検査で骨の変形の程度や角度を正確に評価し、診断を確定します。外反母趾と診断された場合、整形外科では主に「保存療法」と「手術療法」の二つのアプローチで治療が行われます。多くの場合は、まず保存療法から開始されます。保存療法の目的は、痛みの軽減、変形の進行抑制、そして足の機能改善です。具体的な内容としては、以下のようなものがあります。まず、「生活指導と靴の選択」です。ハイヒールや先の細い靴など、足に負担をかける靴を避け、つま先にゆとりのある、かかとが安定した、クッション性の良い靴を選ぶように指導されます。また、長時間の立ち仕事や歩行を控える、体重をコントロールするといった生活習慣の見直しも重要です。次に、「装具療法」です。外反母趾用のサポーターやパッド、あるいは個々の足に合わせて作製されるオーダーメイドのインソール(足底挿板)などを用いて、足のアーチをサポートし、親指にかかる負担を軽減したり、突き出た部分を保護したりします。これにより、痛みの緩和や変形の進行抑制効果が期待できます。また、「運動療法(リハビリテーション)」も重要な保存療法の一つです。足の指を動かす体操(グー・パー体操、タオルギャザーなど)や、足の筋肉を鍛える運動、アキレス腱や足底筋膜のストレッチなどを行い、足の柔軟性を高め、筋力を強化し、正しい歩行を促します。理学療法士の指導のもとで行われることが多いです。痛みや炎症が強い場合には、「薬物療法」として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の飲み薬や貼り薬、塗り薬などが処方されることもあります。これらの保存療法を数ヶ月から半年程度続けても、痛みが改善しない、変形が進行して日常生活に大きな支 Başkan が出ている、あるいは靴を履くのが困難といった場合には、「手術療法」が検討されます。手術の方法は、変形の程度や患者さんの状態によって様々ですが、一般的には骨を切って角度を矯正し、金属製のプレートやスクリューで固定する方法(骨切り術)が多く行われます。手術後は、一定期間の免荷(体重をかけないこと)やリハビリテーションが必要となります。